「登録支援機関」は、特定技能外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)に代わって、外国人の生活支援・職場定着支援を担う専門機関です。このページでは、登録支援機関の役割・選び方・費用・よくある疑問を網羅的に解説します。
登録支援機関とは何か
登録支援機関(Registered Support Organization / RSO)は、出入国在留管理庁に登録された法人・個人で、特定技能1号外国人の生活支援・職場定着を専門的に支援する機関です。
特定技能制度では、外国人を雇用する企業(特定技能所属機関)が「支援計画10項目」を実施する義務を負います。この義務のすべてを登録支援機関に委託することができます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠法令 | 出入国管理及び難民認定法(入管法)第19条の23〜26 |
| 登録要件 | 出入国在留管理庁への登録・更新が必要(5年ごと) |
| 登録件数 | 全国に約8,000機関(2025年時点) |
| 主な種別 | 行政書士法人・社労士法人・人材紹介会社・NPO等 |
| 支援対象 | 特定技能1号外国人(特定技能2号は支援義務なし) |
登録支援機関の10の支援義務
特定技能所属機関(または委託を受けた登録支援機関)は、以下の10項目の支援を実施しなければなりません。
-
事前ガイダンスの提供
入国前に在留資格・生活ルール・労働条件等を本人の理解できる言語で説明する。 -
出入国に係る送迎
入国時・出国時に空港等への送迎または交通手段の提供・案内を行う。 -
住居確保・生活に必要な情報提供
住居の確保支援(契約の補助・保証人の手配等)と、銀行・医療機関等の情報提供。 -
生活オリエンテーションの実施
日本のルール・慣習・緊急時の連絡先等を、理解できる言語で説明する(8時間以上)。 -
日本語学習機会の提供
日本語教室・学習教材等の情報を提供し、日本語習得を支援する。 -
相談・苦情対応
職場・生活上の相談を、理解できる言語で対応する。定期的な面談も実施。 -
日本人との交流促進
地域行事・自治会活動等への参加促進・情報提供を行う。 -
非自発的離職時の転職支援
会社都合で退職した場合、次の受け入れ機関の情報提供・ハローワーク案内等を実施する。 -
定期的な面談と行政機関への通報
3ヶ月に1回以上、外国人本人・監督者と面談し、問題があれば行政機関に報告する。 -
法令違反のない公正な支援
差別・ハラスメント等がないか監視・相談対応を行う。
登録支援機関は必須か?自社対応との違い
登録支援機関への委託は義務ではありません。一定の要件を満たす企業は、自社で支援計画を実施することができます。
| 項目 | 登録支援機関に委託 | 自社対応 |
|---|---|---|
| 費用 | 月2〜5万円程度 | 人件費・体制整備コストが発生 |
| 専門性 | 高い(外国語対応・法務知識) | 担当者のスキルに依存 |
| 手間 | 少ない(報告書作成も委託可) | 多い(面談記録・報告書を自社作成) |
| 向いている企業 | 初めての外国人採用・中小企業 | 外国人採用に慣れた大企業・専任担当者がいる場合 |
初めて特定技能外国人を採用する企業には、登録支援機関への委託を強く推奨します。支援義務の不履行は、特定技能所属機関の認定取り消しや在留資格更新への影響につながるためです。
費用相場と料金体系
登録支援機関の費用は機関によって異なりますが、おおよその相場は以下のとおりです。
| 費用項目 | 相場 | 備考 |
|---|---|---|
| 初期費用(申請サポート) | 5〜20万円 | 在留資格申請の補助費用 |
| 月額支援費 | 2〜5万円/人 | 支援計画10項目の実施費用 |
| 人材紹介手数料 | 年収の10〜30% | 紹介機能がある機関のみ |
| 翻訳・通訳費 | 別途(1,000〜5,000円/回) | 機関によって月額に含む場合も |
⚠️ 月額費用が安すぎる機関(1万円以下など)は、支援の実施が不十分なケースがあります。価格だけで判断せず、支援内容の詳細を確認することが重要です。
選び方の5つのポイント
1. 対応業種・国籍の専門性を確認する
宿泊・飲食・介護に特化した機関と、製造・建設専門の機関では支援ノウハウが大きく異なります。自社の業種と採用予定の国籍を得意とする機関を選びましょう。
2. 対応言語の幅を確認する
採用予定の人材の母国語で支援できるかどうかが定着率に直結します。ベトナム語・タガログ語・インドネシア語・中国語など、対応言語を事前に確認してください。
3. 支援計画の実施体制を確認する
「書類だけ」の支援機関と「実質的な面談・相談対応まで行う」機関では定着率が大きく異なります。3ヶ月ごとの面談をどのように実施するかを具体的に確認しましょう。
4. 人材紹介機能の有無を確認する
登録支援機関の中には、人材紹介機能を持つ機関もあります。「採用から支援まで一括」で依頼できる機関は、初めての採用に特に向いています。
5. 実績・口コミ・登録番号を確認する
出入国在留管理庁のサイトで登録番号を検索し、正規登録機関であることを確認します。また、同業他社からの口コミや実績件数も参考にしましょう。
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宿泊・飲食・介護分野で実績のある登録支援機関を、編集部が日本語力・業種適性・支援体制の3軸で評価・比較しました。
まとめ
- 登録支援機関は特定技能外国人の生活支援・職場定着を担う専門機関で、全国約8,000機関が登録されている
- 支援義務10項目を自社で実施できない場合は、登録支援機関への委託が実質必須
- 月額費用の相場は2〜5万円/人。安すぎる機関は支援の実態に注意が必要
- 業種適性・対応言語・支援計画の実施体制の3点を重点的に確認して選ぶ
- 人材紹介機能を持つ機関に依頼すると、採用から支援まで一括対応できて効率的
よくある質問
Q. 登録支援機関は複数の会社にまたがって依頼できますか?
はい、可能です。ただし1人の特定技能外国人に対して、委託する登録支援機関は1機関のみです。複数名を採用する場合、人材ごとに異なる機関に委託することは可能です。
Q. 登録支援機関を途中で変更できますか?
可能です。ただし、変更の際は在留資格の変更届出が必要になります。変更を検討する際は、新旧機関と連携して手続きを進めることをお勧めします。
Q. 外国人が自分で登録支援機関を選べますか?
法律上は企業(特定技能所属機関)が登録支援機関を選定します。ただし、外国人本人が希望する機関を企業が採用することは問題ありません。
Q. 登録支援機関なしで特定技能外国人を採用できますか?
可能です。自社で支援計画10項目を実施できれば、登録支援機関への委託は不要です。ただし、担当者の語学力・法務知識・対応体制が整っている必要があります。